Page 55 - 権五石会長の人生のエッセイ J-Full
P. 55

軟式庭球




         山へ野へ迷い、心をなだめ、日々過ごすある日…

         錦仙亭から降りる途中、豊基高校の庭球場から聞こえてくる音に私は足を止め

         た。



         「カン!カン!カン!…」と軽快な音が聞こえた。 ボールを打つ音だった。



         私は長い間見ていた。

         ボールが好きだからか、彼らがボールを打つのを見るだけでも面白がっていた。

         しばらく時間さえあれば、私はそこに向かった。
         そこでホンソンとインサンがテニスをするのを見た。




         そうしているうちにある日… 私も一度やってみたかった。
         偶然、ラケットを握る機会が来た。

         ラケットを借りて打った。

         なかなか打てて面白かった。 あまりにも運動神経があったので···



         その時からだ…

         その時、豊基庭球協会の役員を務めていたカン専務とオム専務の目に入った。

          「なかなか運動神経もあるし、軟式庭球をやってみる?」と勧めた。

         その時から私は軟式庭球を始めた。
         遅く始めたが、もともと運動で鍛えられた体だったから、すぐ仲間のレベルに

         ついて行き、たった6ヵ月で庭球部の主将になれた。

         サッカーをする時もそうだったが、軟式庭球でも運動をする姿勢が格別だから、
         人より実力がもっと早く伸びるようだった。

         私はそのように何をしても熱心にして集中した。

         それで友達がつけてくれたニックネームが「花火」だ。



         熱くて情熱的という意味もあるが、それだけとても熱心だという意味だった。

         いつものように熱心に運動をしたし、
                                                                                                      QR
         豊基で庭球する方々は、また私に大きな期待をかけるようになった。


                                                     55
   50   51   52   53   54   55   56   57   58   59   60