Page 35 - 権五石会長の人生のエッセイ J-Full
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ひどすぎるほど私たちだけを叱り、他の家の子供たちは無条件にかばってくれ

         た。

         長い時間が経ってから、その深い意味が分かった。
         私が世界で最も尊敬する人がいるなら、断然その人は私の母だ。

         母は私たちに愛と奉仕、そして犠牲が何かを自ら見せてくれた。



         母は家族の中で特に私をたくさん愛してくれた。

         兄と結婚する兄嫁も私に先に披露した後、私に聞いて兄嫁が気に入ると言った

         ら「君が気に入ればいい」と決めて、

         義兄を決める時も私に意見を聞いた。
         父が亡くなった後の一任で、さらに母は私に多くのことを話し合ったようだ。

         私はそんな母が内心とてもありがたかった。  母の信頼があったので、私は何も

         悪いことをすることができなかった。
         なぜなら、母の暖かい愛がいつも私の胸に残っているからだった。




         その理由かもしれないが、学生時代にありふれた恋愛を一度もしたことのない

         「おとなしいだけで融通のきかない人」
         これがまさに私だった。

         しかし、そういう母も兄が軍隊に行った時は面会にも行ったりしたのに、

         私が軍隊に行ったときは面会も手紙ももらった覚えもなかった。
         私は除隊して家に帰った時、母に聞いた。




         「お母さん、お母さんは私に会いたくもなかったの?  どうして私には面会に一
         度も来なかったの?」

         すると、母はこんなことを言った。

         君の兄を軍に送った時は子供を一人で水辺に出したように不安だったが、
         君が軍に行った時は何も心配しなかったよ。  ただ君を信じるから」とにっこり

         笑いながら落ち着いて話してくれた母のその信頼に満ちた私に対する信頼の言

         葉を、私は今までも忘れられない。

         いや、永遠に忘れられないだろう。
         あの日、母のそんな気持ちも知らずに、だだをこねた自分が恥ずかしくなる
                                                                                                      QR
         瞬間だった。


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