Page 39 - 権五石会長の人生のエッセイ J-Full
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普段、母は他人と戦うといくら些細なことでも私たちを叱った人だから、私が

         叱られるのはあまりにも当然の手順だった。

         私はかちかちになっていた。
         それで私は叱られる覚悟をしていた。




         ところで···
         母が笑いながら何気ない言葉で···

         「こいつ。殴られて歩き回るより、いっそ思う存分殴って治療費を払ったほう

         が気持ちいいね」と言いながらにっこり笑うのだった。

         このように一言をそっと言って、その後何も言わなかった。
         もちろん叱られてもいない。




         長い時間が経ってから、なぜ叱らなかったのか、その意味が分かった。
         母はすでに大きく叱られる覚悟をしていたそのものが、事実上罰を受けている

         ということだ。

         母は10の言葉よりは行動で申し訳ない、間違っていることなどを自ら悔いてほ

         しかったのだ。
         私は心の中で妙な気分になった。




         その後も私は本当にたくさんの戦いをした。




























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