Page 101 - 権五石会長の人生のエッセイ J05
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「故障した資本主義」



        ダボスフォーラム       故障した資本主義               国と大企業           SBS最後の帝国            共有と分かち合い

        ネットワーク戦争/経済戦争


          国と大企業
                      経済戦争は能力中心の社会を作り、これは両極化を深化させた。















        国家と大企業は能力中心の社会づくりの先頭に立っており、専門性のない平凡

        な人々はますます両極化問題で苦しんでいる。  国家と大企業は権力と資金力を

        利用して規制を強化し、優れた資金力を利用して市場を先取りしようとする一

        方、ネットワーク戦争と経済戦争を通じて自分の国家、自分の企業だけを豊か
        にしようとするのだ。 世界G1の米国とG2の中国がすでに貿易戦争をしてきて久

        しいし、今はそこから一歩進んで報復を日常的に行っている。  世界はますます

        自国の利益を守ろうとする国家と大企業が増えており、これによって世界経済

        はますます硬直している。

        国家は絶対に市場経済に直接参入してはならず、むしろ自由な市場経済活動が

        造成されるよう環境を整えなければならないが、最近の傾向は全世界的に国家

        が直接·間接的に参入した局面だ。  このように国家が参入し、大企業が協力する
        限り、引き続き経済的困難は終わらないだろうし、国家と企業は非難を免れな

        いだろう。  それは決して望ましくない。  国家は規制を強化するのではなく、自

        由に商取引ができるように環境を整え、大企業は中小企業を吸収統合しようと

        せず、同伴成長できるよう友好協力を強化しなければならない。  これが大企業
        と国家が果たすべき義務だ。  公務員の数を増やしたり、公企業の数を増やして

        いくのは実に愚かなことだ。  大企業がタコ足式に事業を増やしていくのも愚か

        なことだ。  国家は市場に直接参加してはならず、大企業は選択的注意集中を通
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        じて投資をしなければならない。


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