Page 193 - 権五石会長の人生のエッセイ J-Full
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人間は「おぎゃあ」と生まれた瞬間、素手で生まれる。
財産のある親のもとで生まれれば金持ちの子になり、財産のない親のもとで生ま
れれば自然に貧しい家の子になるのだ。いわゆる「金のスプーン」と「土のス
プーン」だ。 よく生まれることは自分の思い通りにはいかないが、よく生きるこ
とは自分の思い通りにできる。 豊かに暮らすためには財産が必要になるが、この
財産を持つためには他人と協業をうまくするべきだ。
共同で事業をしたり収益を共有する方法を学び、私ではなく他人が稼いだ収益を
適切に分ける方法を知るべきだが、これが共有と分かち合いだ。
資本主義社会の経済体制の中で、私が持っている権利や能力、資格で私がお金を
稼ぐのは当然だ。
共有経済の最も大きな収益は「ちりも積もれば山となる」ということだ。
また、共有経済の最も長所は、誰もが自由に自分が欲しいもの、購入したいもの
だけを購入したり販売するため、誰にも副作用がないという点だ。
言い換えれば、共有経済の中では個人や団体、社会、国は皆が受益者であるだけ
で、誰も損をすることがないという意味だ。個人、団体、社会、国を問わず共有
経済の下では富の両極化の問題は消え、新しい経済が誕生する。
直接取引によって個人は商品を安く買うことができ、団体は多様な方法で寄付や
支援を受けることができ、社会や国は社会的な物価の安定をもたらすことができ
る。
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世界は無限競争をすると同時に無限協力をしなければならない。
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