Page 95 - 権五石会長の人生のエッセイ J-Full
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私はその瞬間、その電話が原州のミジョン氏であることに直感的に気づいた。

         「キム一等兵、何も言わずにその電話を私に代わってくれ。」と私は電話に出

         た。
         ミジョンさんは…

         あの…あの…BOQに電話をしてはいけないと思いますが…ギソンさんが長い間

         連絡がなくて仕方なく…」と小さく少し震える声で話した。
         それもそうだろう…

         軍人が死んだら普通は直系家族だけに連絡をし、恋人にまで連絡する理由がな

         かったのだ。

         おそらくチョン·ギソン中尉の家でもミジョン氏の存在を知らないはずだった。
         私はどうしても何とも言えなくて、

         「私がまた連絡しますので連絡先を残してください…」と言った。

         するとミジョン氏は、自分の電話番号はギソン氏が知っていると言った。
         私は事情があるのでこちらに連絡しないで、電話番号を教えてほしいと言った。

         電話番号を受け取った私は彼女に電話をかけ,惨めな知らせを伝える勇気がな

         かった。



         私は急いでチョン·ギソン中尉が使っていた遺品を見つけ出し、整理を終えた。

         ちょうど一週間後には私の休暇の予定があって、直接訪ねて話もしてあげたり、

         遺品も伝えようと思った。
         私は休暇中にミジョンさんに電話をして原州の約束場所を決めて会うことにし

         た。

         故郷の家がある豊基に行くためには清涼里から汽車に乗って行かなければなら
         ないが、原州を通ることになっていた。  私はしばらく原州で降りて、ミジョン

         さんに会って伝えて行く計画で列車に乗った。

         原州で降りた私は約束の場所に訪ねた。
         あえてミジョンさんを探さなくても一目で私は彼女を見分けることができた。

         白い肌に小さくてかわいいお嬢さんでなかなかの美人だった。

         私は彼女と向かい合って座り、まずコップ1杯の水を飲んだ。

         しかし、目まで合わせることはできなかった。 勇気を失ってしまったのだ。
         しばらくして、私は決心し、事故のすべてのことを詳細に彼女に伝えた。
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         そして丁寧に持ってきた遺品も彼女に渡した。


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