Page 25 - 権五石会長の人生のエッセイ J01
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そんなに祖父と私の演技が熟すほどの時間が過ぎた後、伯父さんは心が弱く

         なったのか、

         「お父さん、もうやめてください。」と言ったが…
         祖父は「こんな奴はものすごい痛い目に合わせて、二度とそのようなことがで

         きないようにしなければならない!」と言いながら祖父の偽の鞭打ちはしばらく

         続いた。もちろん、祖父の言う通り、二度とそんなことはなかった。



         その事件があった翌日から伯父はしばらく私のことを申し訳なく思っているよ

         うで、親戚が集まる度に私が真鍮の器を盗んで飴と取り換えて盗み食いした話

         を楽しんで、げらげらと笑っていたりした。
         親戚の間では真鍮の器事件がいつも面白い話の種で、

         ひとしきり笑いを与えたりもした。



         その日すべてが終わり、祖父と私は静かに布団の中でささやいた。

         「どうしたの?」祖父はいつも同じように優しく尋ねた。




         祖父の問いに私は···
         「あまりにも飴が食べたかったし、一本食べても十本食べてもどうせ怒られる

         のは同じだから、それなら最初からたくさん食べて怒られようとしたんで

         す。」と言うと、祖父は、げらげらと笑って…
         「だから私が君のことが好きなんだ。」と言いながら···

         「そうそう、将来勇ましい男になるためには、お前ほどの太っ腹にならない

         と!」と満足していた。



         そして私を抱きしめ、すぐに眠りについた。

         いつも祖父のひげを触りながら私が先に寝ていたような気がするけど、
         その日は祖父のいびきをしばらく聞きながら窓の外に映る明るい月明かりと長

         い時間友達にして眠りについた。




         その夜、私は窓に映った皎皎な月明かりがとても暖かく感じられ、長い間その
         夜の月明かりの懐かしい感じがそのまま私の胸の中に位置している。
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