Page 110 - 権五石会長の人生のエッセイ J01
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母の癌の宣告
先日のことだ。
田舎の兄から電話がかかってきた。
母が癌だということだった。
だから家族が皆しーっ、しーっとそのまま楽に逝けるように秘密にしようとい
うことだった。 私はその時空が崩れるようだった。
どうやって生きてこられたのに… あまりにもあきれていた。
父も結核で亡くなったのに、母まで癌だなんて…
私は祈った。
ところが癌ではないという考えがしきりに胸に響いた。
おそらくそれを知らせてくれたのが聖霊様であり、神様であり、イエス様だっ
たようだ。
兄はお母さんの年齢もあるし、ただ楽に逝けるようにしなければならないと
言って、家族で旅行に行ってきたし… 母だけがその理由を知らずにいた。
しかし幸いにも我が家では兄も姉も私の考えを最も重要に聞いてくれた。 そん
な兄、姉に今も感謝している。
私は兄に言った。
「逝かれるとき逝くとしても、私たち兄弟が最善を尽くしてから死んでこそ、
私たちも後悔がないし、どうせ逝く道なら母も知っていれば、去る準備をする
のではないだろうか?」
私の切なる頼みに兄と家族は皆私の意思に従ってくれたし、
母を原子力病院に連れていくようになった。
当時、私はGOB会社の仕事で大韓投資信託大講堂で会議をしていた。
会議を進行しながら表では笑っていたが、心はいつも母のそばにあった。
そして申し訳なかった。
原子力病院に母を入院させた。
ちょうど診断放射線科に勤めている友人のイ○○さんとイ○○さんに母を頼ん
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できた。 そうして母は癌の検査を受けることになった。
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