Page 71 - 権五石会長の人生のエッセイ J01
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犬の命
「犬たちがひときわ
好きでよくなつく。」
私と犬は5回にわたる縁がある。
一つ目は蚕室(チャムシル)3団地の住公(チュゴン)マンションに住み、ムク
ゲテニス場を運営していた時のことだ。
その日は早く仕事を終えて家に帰ってきて本を読んで夕方遅く何かを買おうと
外に出たが、マンションのそばの暗いところでクンクンという犬の声を聞いた。
行ってみたら犬一匹が死にかけていた。
その時天気があまりにも寒くて私は厚いコートを着て出かけたし、犬に触って
みると、何時間そのようにいたのか冷たかった。 「ツッツ…どんなに寒かった
んだろう…」そのままにしておくと凍え死にそうだったから、さっとコートを
脱いで抱き締めた。 そして、ただ助けるという思いで、犬を抱いて動物病院を
訪れた。 もう夜遅い時間だったから簡単に見つけることができなかったし、
探している途中、やっと区の市場入口にある動物病院を見つけた。
今の私の記憶ではおそらく商号が東島動物病院だったようだ。
私はそこに犬の治療を頼んで、その翌日また訪ねたところ、犬はすでに死んで
いた。
獣医の話が「犬が変な薬を飲んで、あまりにも遅く来たから助けることができ
なかった。」と話した。
「薬を飲んだ時に早く連れてくればよかったのに」と言われて、一部始終を話
したら、「先生、私が動物病院をしながら先生のように夜遅い時間に自分の犬
でもなく他人の犬を助けようと、このようにタクシーに乗って病院の位置を尋
ねてくる人は初めて見ました。」と言いながら、動物を助ける医師としてむし
ろありがたいと言った。
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私はそれでも治療費は受け取るように言ったが、彼は違うと言って遠慮した。
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